まず、Claude Codeがとても便利だと思った。だから、これを外でも、スマホからでも使えるようにしたいと思った。 それはうまくいった。さらにGoogle Oneが安くなっていたので、このタイミングで試してみることにした。
手の届く範囲で、それなりに良いAI環境が整っていると思う。 ローカルLLMは導入できていないけれど、メモリ価格も高騰しているし、それは今のMacのままで頑張っていくのが現実的な解だろう。
けれど、そうして環境が整った後に振り返ってみると、「大したことはできていないな」と思ってしまった。 「自分の環境を良くする」ことには成功した。 けれど、それによって「自分ができること」が劇的に変わったわけではない。 「環境はそれなりによくなったが、自分自身には大したことはできない」。そう思った12月だった。
- 「何か」とのすれ違いをなくすために
- AI時代の知的生産における物理的インターフェースの重要性について書く予定
- トピッククラスター構造で展開
- 子記事: ピンマイク、Apple Watch、Vicenotes等の具体的レビュー
- 試行錯誤の末に見えてきた景色(後付けの理論化)
- 最初から狙ったわけではなく、「これいいじゃん」を積み重ねたらシステムになった(ブリコラージュ的アプローチ)
- その結果を整理すると、以下のようになる
- AI時代で最も重要なのは、AIの性能ではなく、思考の摩擦をゼロにする物理的インターフェースへの投資
- 問題の構造
- 欠乏のトンネル(Scarcity Tunnel)
- 一般的には欠乏状態が視野を狭める現象。ここでは劣悪なインターフェースが認知リソースを奪う状態
- 認知リソース
- 思考力、注意力、IQ
- ゼロコスト戦略
- 通知オフなど、お金をかけずにマイナスをゼロに戻す防御策
- 潜在的可能性の高原(plateau)
- 努力が水面下で蓄積されているが、まだ成果として見えない停滞期
- 欠乏のトンネル(Scarcity Tunnel)
- 突破のメカニズム
- 戦略的スラック投資(Strategic Slack Investment)
- 一般的にはスラックは余裕資源。ここではボトルネックとなっている物理的インターフェースへの先行投資
- 物理的インターフェース
- 一般的にはハードウェアやUI。ここではマイク、PC等、思考を支える物理的な道具
- MED(Minimum Effective Dose)
- 一般的には薬やトレーニングの最小有効量。ここでは「効果が出る最低ラインの投資額」(例:マイクは5000円〜)
- MVP(Minimum Viable Product)
- 一般的には実用最小限の製品。ここではMEDを満たしたツール(マイク、アプリ等)を組み合わせた「インターフェースや思考システムの最小セットアップ」
- ブリコラージュ(Bricolage)
- 一般的にはありあわせの材料で創造的に作ること。ここではバラバラだった要素が最後のピースで繋がる現象
- ティッピング・ポイント(Tipping Point / 臨界点)
- 一般的には変化が急激に起こる転換点。ここでは臨界点を超えることで決定的な2割(ボトルネック)が解消され、成果が爆発的に現れる現象
- それまでの8割の努力(ゼロコスト戦略など)が一気に花開く瞬間
- 一般的には変化が急激に起こる転換点。ここでは臨界点を超えることで決定的な2割(ボトルネック)が解消され、成果が爆発的に現れる現象
- シナジー(Synergy / 相乗効果)
- 1+1が3以上になる効果
- 戦略的スラック投資(Strategic Slack Investment)
- 理論的根拠
- パレートの法則の応用
- 一般的には「結果の80%は原因の20%から生まれる」という法則
- ここでの応用:2割のボトルネック(物理的インターフェース)を解消することで、8割の潜在能力(既にある努力や工夫)が一気に開花する
- 重要なのは「どの2割がボトルネックなのか」を見極めること
- ROI(投資対効果)
- Return on Investment
- パレートの法則の応用
- ケーススタディ
- Case A: ゼロコストの限界(停滞)
- 通知を切り、時間を確保したが、安物のマイクで音声入力の認識率が悪く、修正に追われて思考が途切れる。「頑張っているのに成果が出ない」状態
- Case B: 投資による突破(成功)
- 高性能なピンマイク(MED投資)を導入。誤認識がなくなり、歩きながらの思考がそのままテキスト化される。思考スピードと入力スピードが同期し、「彼ら」との対話がスムーズに成立するようになる(ティッピング・ポイントを超える)
- Case A: ゼロコストの限界(停滞)
- 問題の構造
- 2025-12-04
- 銀だこの390円セールでたこ焼きを買った
- 普段700円→390円という強烈な価格差
- 買うつもりはなかったのに、気づいたら買っていた
- 行動経済学的な考察
- 心理的リアクタンス(Psychological Reactance)との付き合い方
- 人に誘導されると「自尊心」が傷つき反発するが、システム(価格やAI)なら「仕組み」としてフラットに受け入れられる
- これは「ハックされた感覚」への耐性の違いかもしれない
- AIとの対話では、この「人間特有の支配欲/被支配感」から解放され、お互いに無責任でいられる可能性がある
- 銀だこの390円セールでたこ焼きを買った
- 2025-12-05
- サイトの改善作業
- セキュリティ対応(CVE-2025-55182)
- React 19.2.0 → 19.2.1
- Next.js 16.0.3 → 16.0.7
- 脆弱性0件に
- Wikiリンクの改善
- 存在しない記事へのWikiリンクをプレースホルダーから通常テキストに変更
- 本番環境で未作成リンクが目立たないように
- 記事フォーマット統一
- 重複タイトル削除(7ファイル)
- 関連セクション削除(バックリンクで自動表示されるため不要)
- CLAUDE.mdにルール追加
- トップページのハイブリッド化
featured: trueをつけた記事を上部に表示- 最新10件をシンプルなリスト表示
- トップページで見せたい内容を恣意的に制御できるように
- セキュリティ対応(CVE-2025-55182)
- Obsidian環境の改善
- ターミナルのカラーテーマを変更
- ダークモードからライトモード(白背景)に変更し、エディタ画面との親和性を高めた
- 設定ファイル:
.mac/workspace.json(既存ターミナル),.mac/plugins/terminal/data.json(新規ターミナル) - 変更履歴:
- 2025-12-05: テーマをライトモードに変更
- 2025-12-05: 言語設定を日本語(
ja)に変更 - 2025-12-05:
main.jsを改造し、書き込み時に強制的にscrollToBottom()を実行するように変更(プロンプト表示時のスクロール問題対策)- さらに改良: ユーザーが一番下にいる時だけ自動スクロールするように条件分岐を追加(過去ログを読んでいる時は自動スクロールしない)
- ターミナルのカラーテーマを変更
- サイトの改善作業
- エディタの調整(2025-12-05)
- セピア調カラースキームの導入
- 目的: 長時間の作業でも目に優しい配色に
- Obsidianエディタ
- 背景色:
#EAE4D8(クリーム/ベージュ) - テキスト色:
#3C3836(ダークグレー) - 全UI要素(タブ、サイドバー、ステータスバー等)を統一
- CSSスニペット:
.mac/snippets/sepia-background.css
- 背景色:
- ターミナル
- 背景色:
#EAE4D8(エディタと統一) - Gruvbox Lightベースの配色
- 設定ファイル:
.mac/plugins/terminal/data.json
- 背景色:
- ウェブサイト
- 背景色:
#F5F3EE(Obsidianより少し明るめ) - テキスト色:
#3C3836 - グローバルCSS:
app/globals.css
- 背景色:
- UIの微調整
- タブバーにグラデーション追加
- アクティブなタブと非アクティブなタブの視認性向上
- 微妙な立体感で境界を明確化
- 枠線の調整
- 背景色は統一しつつ、構造的な境界線(
#C8C0B0)は維持 - ペイン、タブ、サイドバーの区切りが明確に
- 背景色は統一しつつ、構造的な境界線(
- タブバーにグラデーション追加
- ウェブサイトの改善
homeTitleフィールドの実装- フロントマターに
homeTitleを追加可能に - ホームページでは
homeTitleを優先表示、なければtitleを表示 - 例:
title: 2025-12→homeTitle: 彼らとのすれ違いをなくすためにのドラフト
- フロントマターに
- ホームページレイアウトの改善
- 固定記事: タイトルのみ表示(日付・ディスクリプション削除)
- 最新記事: 日付削除、バレットのインデント修正
- より読みやすく、スッキリとした見た目に
- セピア調カラースキームの導入
- 2025-12-06
- ツールの切実性を言語化する
- Limitless AIがMetaに買収されたニュースを受けて
- 「基盤がしっかりした」という公式発表の裏で、既存ユーザーとしての複雑な心境
- これを機に、自分が使っているツールを「メリットを感じてなんとなく使っている」ものと、「これがないと困る(切実性がある)」ものに分類してみた
- 能動 vs 受動の違いと「頭の助かり方」
- インボックス(能動): 「これは大事」と思って入れたから、処理したいニーズがある
- 自動録音(受動): 何も思っていないから、処理したいニーズが生まれない
- 「全部処理しよう」とするのは破綻する
- とはいえ「とりあえず全部突っ込んでおく」のは、認知負荷は低いがベストではない
- 私としては、もう少し「目的的な扱い」をした方が、結果的に頭が助かる(認知の整理がつく)
- ツール活用の原則
- 「何か活用できたらいいな」という曖昧な期待では活用されない
- 「これがないと困る」という切実性を言語化できるかが鍵
- 結論
- ツールは「ゼロをプラスにする(新しい能力を授ける)」ものではなく、「マイナスをゼロに近づける(障壁を取り払う)」もの
- 既存の習慣(ノートなど)へのアクセシビリティを高め、本来できるはずのことを当たり前にできるようにするだけ、障壁を取り払うことが本質
- Limitless AIがMetaに買収されたニュースを受けて
- ツールの切実性を言語化する
- システムのこと
- もしかしたらいつか画像を自前で入れたいときが来るかもしれない。その時どこに置けばいいのか。
- Next.jsでは
public/フォルダに静的ファイルを置く。 - 相対パスではなく、絶対パス(
/始まり)で記述する。 - これは面倒
- 文字リンクは
[[slug]]で機能するのに、画像は絶対パスになると使いにくい - 不整合がある
- 修正依頼をしたら画像もwikilink記法で書けるようになった
![[2025-11/photo.jpg]]や![[2025-11/photo.jpg|説明文]]- さらに相対パスも自動解決されるようになった
posts/2025-11/article.mdから![[photo.jpg]]と書けば- 自動的に
public/images/2025-11/photo.jpgを参照する - パスを書かなくていいので楽
- まだ
public/images/フォルダは作っていない。必要になったら作ればいい。
- 文字リンクは
- スラグコンバーターというobsidian Pluginを作ろうと思ったけど難しかったので、リネームというスラッシュコマンド(
/rename)を作って対応したらそれなりに上手くいった- 日本語ファイル名の英語化と、既存記事へのエイリアス追加(例:mvp → MVP)を一つのコマンドで完結できるようにした
- 結局、自分専用のワークフローはプラグインよりスクリプトの方が手軽で修正もしやすい
- Next.jsでは
- もしかしたらいつか画像を自前で入れたいときが来るかもしれない。その時どこに置けばいいのか。
- 2025-12-07
- Obsidian自作ターミナルプラグイン
- 既存のターミナルプラグインのスクロール挙動がおかしかった
- コマンド実行後、出力が自動スクロールされないことがある
- 既存プラグインを調べたが、直し方がすぐにはわからなかった
- 自分で作ることにした
- まだ作った段階で、本当にスクロール挙動が改善されているかは検証中
- Obsidian自作ターミナルプラグイン
- 2025-12-15
- スマホでClaude Codeを使う環境構築
- 技術的にできないと思っていた外出先でのターミナル環境
- Secure ShellFishでSSH環境構築
- Tailscaleで外部アクセス可能に
- チャットAIに確認しながら順を追って進めたら、なんとかなった
- 外出先からiPhoneでClaude Codeが動くようになった
- コストと価値の可視化
- Claude Pro: 1日83円
- この価格で十分だと思っている
- コーヒー(35円/日)、Mac(411円/日)と比べても、Claude Proのコストパフォーマンスは高い
- 日割り計算することで、価値が見えやすくなった
- スマホでClaude Codeを使う環境構築
- 2025-12-21
- 最小手順でスマホに「現代版ロータスオーガナイザー」を構築する試み
- コンセプト:「開発環境」ではなく「生活管理環境(PIM)」の再定義
- 高価なProプランや複雑なSSH構築(VPL/VPS)を使わず、Gmailアカウント1つで完結させる
- かつての「Lotus Organizer」が持っていた「手帳のような万能感・完結感」を、最新のAIとGoogleエコシステムでありあわせで再現する(ブリコラージュ)
- 目的:制約による「核」の発見
- ただのキャプチャ(記録)環境ではなく、リフレクション(内省)とシンキングパートナー(対話)の間にある「共鳴する手帳」を作る
- 機能過多な環境から離れ、機能を絞ることで「本当に日々行いたい営み(栄養)」を炙り出す
- 実践結果
- 実際に構築してみた。Gemini CLI + Tailscale + ShellFishであっさり完成。いい感じ。
- コンセプト:「開発環境」ではなく「生活管理環境(PIM)」の再定義
- 最小手順でスマホに「現代版ロータスオーガナイザー」を構築する試み
- 2025-12-22
- 「現代版ロータスオーガナイザー」を作るとしたら部屋を分けるのがいいのか
- 問い:「ゼロベースのきれいな部屋」を作るべきか、「今の作業環境」を共有すべきか?
- 結論:両方作る
- 「手帳の部屋(Lotus)」 思考整理、対話、内省用。自分だけ。ノイズなし。
- 「作業の部屋(Dev)」 実装、ログ確認、現行プロジェクト用。実利重視。
- 実装:ShellFishのプロファイルを分け、接続先のtmuxセッションを切り替えるだけで実現できる
- プロファイルA(手帳) →
tmux new-session -A -s lotus - プロファイルB(作業) →
tmux new-session -A -s main
- プロファイルA(手帳) →
- これにより「精神衛生(静寂)」と「実用性(効率)」が共存する
- 「現代版ロータスオーガナイザー」を作るとしたら部屋を分けるのがいいのか
- 2025-12-24
- GoogleOneを契約
- 2025-12-25
- 記述のレイヤーが分離し始めている
- ここ数日のログを見返すと、「どう使うか(Light)」と「どう在りたいか(Heavy)」が混在していることに気づく
- 今まではツールと目的が未分化だったが、実装が進むにつれて明確に分離してきた
- Heavy(思想) 共鳴する手帳、切実さ、内省的な重み
- Light(システム) Gemini, GoogleOne, ShellFishといった「仮の宿」としての構成要素
- この「乖離」は悪いことではなく、システムが安定したことで、より純粋な思考にフォーカスできるようになった変化の現れかもしれない
- ディスプレイを買った
- Dell 27 Plus 4K USB-Cモニター - S2725QC
- 投資の現実(マイク)
- スラック投資として高性能ピンマイクを買ったが、現時点では「いまいち使えていない」のが正直なところ。
- 「良い道具を買えばボトルネックが解消してTipping Pointを超える」というのは理論上のモデル(期待)であり、現実はそう単純ではなかった。
- 買っただけで満足してしまう「買い物という名の逃避」だった可能性も否定できない。
- 記述のレイヤーが分離し始めている
- 2025-12-26
- Gemini Advanced契約と期待外れの結果
- 期待していた「可能性」
- Google Workspace(Docs, Keep)との深い連携
- 自分の文脈(Keepのメモ等)を理解した上での対話
- Gemini Liveによるリアルタイム音声対話
- 直面した「現実」
- Keep連携の片手落ち感(CRUDの欠如)
- 情報を拾う(Read)ことや、新規作成・リスト追加(Create/Append)はできる
- しかし、既存のメモを修正(Update)したり、削除(Delete)したりすることができない
- 「整理(ゴミ捨てや編集)」ができないため、結局アプリを開く必要がある
- 自分で組んだCLIならできる操作ができないもどかしさ
- コンテキスト理解の精度の低さ
- 「いい感じ」に文脈を汲み取ってくれない
- 連携している強み(阿吽の呼吸)を感じられず、結局説明コストがかかる
- プライバシーと学習利用の壁
- 履歴が学習に使われる可能性があるため、真にプライベートな情報(聖域)を渡せない
- 結果として、「私のすべてを知るパートナー」にはなり得ず、無難な「壁打ち相手」として使うしかなくなる
- Keep連携の片手落ち感(CRUDの欠如)
- 結論
- 機能としての「連携」はあるが、体験としての「統合」には至っていない
- 期待していた「可能性」
- 2025年12月の終わりに
- ここまで書き連ねてきて、ふと立ち止まる。
- 私は何をしているのだろうか。これは他者に伝わるだろうか。
- そして私にとって、この記録は益になるのだろうか。
- これは私に(あるいは人格)に、1センチでも何かを付け加えただろうか。
- Gemini Advanced契約と期待外れの結果