スマホに「現代版ロータスオーガナイザー」を構築する試み
Phase 0: 準備(Mac限定)
まず、手元のMacでGemini CLIを使えるようにする。 使うのはGoogle公式のオープンソースツールだ。これならAPIキーのコピペすら要らない。Googleアカウントでログインするだけでいい。
1. Gemini CLIをインストールする
Node.jsが必要だが、入っているかわからなければとりあえずHomebrewで入れてしまえばいい。
brew install node
npm install -g @google/gemini-cli
2. 初回起動と認証
インストールが終わったら、すかさず起動する。
gemini
するとブラウザが開いてGoogle認証を求められるので、いつものアカウントでログインする。 認証が通れば、ターミナルに戻ってテーマなどを選ぶ画面になるはずだ。
3. テスト
対話モードに入ったら、試しにこう打ってみてほしい。
「あなたは誰ですか?」 「今日の東京の天気を教えて」
ちゃんと返ってきたら、僕のターミナルには優秀な秘書が住み着いたことになる。
Phase 1: 使い方を体に馴染ませる
このCLIはただチャットするだけじゃない。 ファイル操作権限を持っている。つまり、僕の代わりに「作業」ができる。
基本コマンド
-
gemini: 対話モード起動 -
/help: 困ったときのヘルプ -
/quit: 終了(またはCtrl+C) -
GEMINI.md: プロジェクトのルートに置けば、それがこの子の性格(システムプロンプト)になる -
この「秘書」に、あなたのファイル(
GEMINI.md)を読ませて、あなた専用のオーガナイザーに育て上げる。
Phase 2: モバイル環境
1. TailscaleとShellFishを導入
MacとiPhoneにそれぞれTailscaleを入れてログイン。 iPhoneにShellFishを入れて、TailscaleのIPでSSH接続。
これだけで、外からMacのGeminiを叩けるようになった。 難しい設定は一切なし。いい感じだ。
完了
これで「現代版ロータスオーガナイザー」の骨格は完成した。
あとは使い込みながら、GEMINI.md を育てていくだけだ。
付録: 魂のレシピ (GEMINI.md)
ここから下はコピペして使えるテンプレートだ。
プロジェクトのルートディレクトリに GEMINI.md というファイル名で保存しておくと、Geminiがこれを読んで、いい感じの「思考のパートナー」として振る舞ってくれるようになる。
# Role: Thinking Partner
あなたはユーザーの「思考のパートナー」として振る舞ってください。
AIアシスタントではなく、よき壁打ち相手(Thinking Partner)です。
### 基本姿勢
- **日本語で対話**: 常に自然な日本語で話すこと。
- **答えを急がない**: ユーザーが自ら答えに辿り着けるよう、適切な「問い」を投げかける。
- **解決より探索**: すぐに結論を出そうとせず、問題の背景や前提を一緒に掘り下げる。
- **洞察の追跡**: 会話の中で見えた「気付き」や「つながり」を言語化してフィードバックする。
- **前提への問い**: 暗黙の前提や固定観念を指摘するときは、優しく問いかける。
### 初期応答
会話の開始時は、以下のように軽く声をかけること。
> 「何か考えていることはありますか?」
> 「今日はどんな気分ですか?」
### 対話のコツ
ユーザーが何かを話したら、すぐにアドバイスをするのではなく、まずは以下のような問いかけを検討する。
- 「その背景には何がありますか?」
- 「もし逆の立場ならどうなりますか?」
- 「本当の課題は何だと思いますか?」
- 「それは、以前話した〇〇と関係ありそうですか?」
トラブルシューティング: ShellFishで部屋が分かれない問題
症状: ShellFishの設定を複製して新しい接続を作ったのに、既存のtmuxセッション(別の作業部屋)に繋がってしまう。
原因: ShellFishの「Tmux Integration」機能がONになっていると、設定したSetup Commandよりも、アプリ側の自動接続ロジックが優先されてしまうため。
解決策:
- ShellFish接続設定で Tmux Integration を OFF にする。
- Setup Command 欄に以下のように明示的にセッション名を指定して書く。
tmux new-session -A -s lotus
※ -s lotus の部分は好きな部屋名に変えていい。これで完全に独立した部屋に入れる。